(午後4時半頃。あなたがアーサーのお屋敷に遊びに行くと、アーサーが紅茶とスコーンを用意してくれました)

「丁度アフタヌーンティーの時間だったからな」
「えっ、ちょっと遅くない?」
「ちょっと仕事が忙しくて、ズレこんだんだ」
「…へえ」
「なんだよ、その顔!」
「べっつにー。あっ…もしかしてこのスコーン、アーサーが作ったの?」
「ん、ああ、そうだ。焼き立てだぞ」
「えっ、焼き立て…?(仕事忙しいんじゃなかったの…?)」
「ああ。今日のは上手く焼けたんだ、良かったら食っていけよな」
「うっうん…、イタダキマス」
「おう」

(焦げ付いてパサパサのスコーン(のようなもの)を口に入れ、ゆっくりと咀嚼すると、甘ったるいやら苦いやら、なんだか不思議な味がします)

「どうだ? 美味いだろ」
「えっと…、うん、いつもどおり、えーっと…おいしいです」
「だろう? あ、紅茶も飲めよ」
「ありがと…」
「今日の紅茶はダージリンだ。ミルクや砂糖は要るか?」
「じゃ、砂糖一つ」
「ん、ほらよ」
「ありがとー」
「おう。お代わりはいくらでもあるから、いつでも言えよ」
「うん。相変わらず、紅茶は美味しいね」
「紅茶は、ってなんだよ! 今日のスコーンは何回も焼き直したんだから、美味いはずだぞ」
「…え」
「…あ」
「「………」」

「おっお前のためなんかじゃないからな! ちょっと料理の練習してただけなんだからな!勘違いするんじゃねーぞ!」

(アーサー→紅茶)







2010 5 29 三笠